ALL STORIES / 51本

物語一覧

なぜこの服は50年残ったのか。穴が開いた服をどう直すのか。手放した服はどこへ行くのか。4つのカテゴリに分けています。毎日1本ずつ増えていきます。

LONG LIFE / 23本

長生きした服の物語

読む → 寿命 50年〜

MA-1——空軍のフライトジャケットが街着になるまで

古着屋の定番になっているナイロンのジャケット、MA-1。もとは1950年代、ジェット機に乗る飛行士のために作られた軍服でした。裏返すと現れるオレンジ色の裏地など、細部に残る理由を見ていきます。

読む → 寿命 30年〜

カーディガン——前開きニットに残る伯爵の名前

ボタンで前を開け閉めできるニットは、カーディガンと呼ばれています。この名前は、19世紀のクリミア戦争で騎兵を率いたイギリスの伯爵に由来するとされています。名前の由来と、このかたちが長く着られてきた理由を見ていきます。

読む → 寿命 40年〜

チノパン——軍のカーキが日常着になるまで

ベージュの綿のズボンは、いまでは仕事にも休日にも穿かれています。もとは19世紀の軍服のために生まれた丈夫な綾織りの綿布でした。チノパンがどのようにして日常着になり、なぜ古着として長く残るのかを見ていきます。

読む → 寿命 40年〜

カウチンセーター——太い糸で編むカナダ先住民のニット

染めていない太い羊毛で、縫い目なく輪に編まれた厚手のセーター。カナダ西海岸の先住民の女性たちが150年以上編み継いできたニットが、なぜいまも古着屋に残っているのかを見ていきます。

読む → 寿命 30年〜

バスクシャツ——船乗りの縞が定番になるまで

白と紺のボーダー、横に広く開いたボートネック、厚手の編み地。バスクシャツと呼ばれるこのシャツは、もとはフランス海軍の船乗りの服でした。縞の本数まで規定で決められていた服が、なぜ160年以上ほとんど形を変えずに着られてきたのかを見ていきます。

読む → 寿命 50年〜

トレンチコート——塹壕の名を持つ雨の日のコート

肩のストラップ、腰のベルト、袖口の留め具。トレンチコートには、いまの暮らしでは使い道の少ない細部がたくさん残っています。雨と泥の中で生まれた形が、なぜ100年以上ほとんど変わらずに着られてきたのかを見ていきます。

読む → 寿命 40年〜

シャンブレーシャツ——作業着から日常着になった青いシャツ

デニムと同じ青なのに、薄くて涼しい。色糸と白糸を平織りにしただけの布が、船の上の作業着を経て、いまも古着屋の棚に並んでいます。地味な布が長く残った理由を、織りと歴史からたどります。

読む → 寿命 50年〜

ダッフルコート——トグルで留める海のコート

フードに、木や角のトグル。ダッフルコートは、寒い海の上で手袋をしたままでも着脱できるように考えられた服です。軍の放出品から街の定番になるまでの道のりをたどります。

読む → 寿命 50年〜

ピーコート——海の上で生まれた厚手のコート

短い丈に、ダブルの前合わせと大きな襟。ピーコートは、甲板の風と寒さをしのぐための服として生まれました。少なくとも18世紀初めから記録に残るこのコートが、ほとんど形を変えずに着られてきた理由をたどります。

読む → 寿命 50年〜

ブルー・ド・トラバイユ——フランスの青い作業着

襟だけの簡素な形に、大きなポケットが3つ。フランスの職人たちが着てきた青い上着は、色あせても形を変えずに、今も古着屋の棚に並んでいます。

読む → 寿命 40年〜

フェアアイル——シェトランドの島で編まれた模様

人口およそ60人の小さな島の名前が、世界中で知られる編み模様の名前になりました。1段に2色だけという決まりや、羊の毛そのものの色から、模様が長く受け継がれてきた理由を見ていきます。

読む → 寿命 30年〜

ハリントンジャケット——バラクータG9という定番のかたち

ゴルフのために考えられた丈の短い上着が、90年近く大きく形を変えずに作られています。雨を流す背中のつくりやタータンの裏地、映画やドラマとの縁から、「定番」が長く生きる理由を見ていきます。

読む → 寿命 20年〜

グッドイヤーウェルト——底を替えて履き続ける靴のつくり

靴がだめになる理由の多くは、底がすり減ることです。その底だけを外して縫い替えられるように作られた靴が、150年以上前から存在しています。

読む → 寿命 70年〜

アロハシャツ——着物地から生まれたと言われる柄シャツ

着古した着物をほどいて、南の島のシャツに仕立て直す。アロハシャツの起源として語られるその話と、古いものほど大切にされてきた理由をたどります。

読む → 寿命 40年〜

ガンジーセーター——港町の作業着が残した編み方

紺色の細い毛糸で、目を詰めて編まれたセーター。港で働く人の作業着として生まれたこの服には、傷んだところを編み直して着続けるための工夫が最初から組み込まれていました。

読む → 寿命 30年〜

バブアー——蝋を塗り直して着続けるジャケット

古着屋で見かけるバブアーの表面は、色むらやかすれがあることが少なくありません。それは劣化の跡というより、蝋を塗り直す前の状態です。この服は、手入れされる前提で売られてきました。

読む → 寿命 50年〜

ハリスツイード——法律に守られた手織りの布

古着屋のジャケット棚で、裏地にオーブ(十字のついた球)のラベルを見かけることがあります。あの小さな印は、産地と製法を法律で定めた布の証明書です。

読む → 寿命 40年〜

アラン・セーター——島の手編みが残した編み目

生成りの分厚いニットに、縄のような模様が縦に走っている。アイルランドの小さな島で生まれたこのセーターには、有名な伝説と、それとは少し違う本当の成り立ちがあります。

読む → 寿命 50年(未使用)

デッドストック——一度も着られずに50年生きた服

タグがついたままの、数十年前の新品。古着屋でいちばん高い値札がついていることもあります。「着られなかったこと」が価値になる、寿命の変わり種の話です。

読む → 寿命 30年〜

バンドTシャツはなぜ資産になったのか

プリントTシャツは、本来いちばん壊れやすい服です。それなのに30年、40年と生き延びて、高値で取引されるものがあります。理由は素材の強さではなく、「いつ・どこで」が服に書いてあったことのようです。

読む → 寿命 50年〜

M-65——機能だけで設計された服は死なない

1965年に米軍へ採用されたフィールドジャケットが、60年後の古着屋にふつうに並んでいます。この服にはひとつも「なんとなく付いているパーツ」がありません。それが、長生きの理由のようです。

読む → 寿命 30年〜

リバースウィーブ——「縮むから横に編む」が生んだ40年選手

洗うたびに縮む。ただそれだけの不満を解決するために、生地の向きを90度回した人がいました。弱点をつぶすための発明が、そのまま「長生きする服」の設計図になっていきます。

読む → 寿命 60年〜

リーバイス501は、なぜ70年生きられるのか

1960年代の501が、いまも古着屋で売られ、街で穿かれています。ファストファッションのTシャツの寿命が約1年だとしたら、その60倍以上。この差はどこから来るのでしょうか。

REPAIR & RECYCLE / 9本

直す・めぐらせる

読む → 寿命 +10年

ジーンズのリペア——当て布とミシンで穴を直す

膝に穴があいたジーンズは、捨てるか、そのまま穿くかの二択だと思われがちです。けれども裏に布を当てて縫い込めば、もう何年も穿けます。直し跡も、そのジーンズの履歴のひとつになります。

読む → 寿命 〜100年

刺し子——布を強くするために重ねた針目

藍色の布に、白い糸の針目が規則正しく並ぶ「刺し子」。いまは手芸として親しまれていますが、もとは布を丈夫に、暖かくして使い続けるための工夫でした。その成り立ちを見ていきます。

読む → 寿命 +数年

かけはぎ——穴を織り直して消す修理

虫食いの小さな穴や、引っかけてできた鉤裂き。その傷を、同じ生地の糸で一本ずつ織り直してふさぐ修理が「かけはぎ」です。直した跡を見せないという、もうひとつの直し方をたどります。

読む → 寿命 布の二度目

裂き織り——古い布を裂いて織り直す

着られなくなった着物や布を、細く裂いて横糸にする。江戸時代の東北や北陸で、木綿を大切に使うために育った「裂き織り」は、布に二度目の一生を与える織り方です。

読む → 寿命 最後まで

ウエスになる服——着られなくなった先の使われ方

穴があき、色があせ、もう誰も着られなくなった綿の服。その一部は四角く裁断され、工場で機械の油を拭く布「ウエス」として、もうひと働きしています。服の一生の、最後の場面を見ていきます。

読む → 寿命 +数年

修理にお金が出る国——フランスの衣類リペア・ボーナス

穴のあいたセーターや、すり減った靴のかかと。フランスでは2023年から、こうした服や靴を直すと修理代の一部が割り引かれるようになりました。「直す」ことを社会で支える仕組みを見ていきます。

読む → 寿命 繊維ごと再生

プラートの再生ウール——古いセーターを糸に戻す町

イタリア・トスカーナの織物の町プラートでは、19世紀半ばから使い古したウールをほぐして糸に戻す仕事が続いてきました。町ぐるみでまわる循環のかたちをたどります。

読む → 寿命 その次へ

繊維から繊維へ——服を服に戻す技術はどこまで来たか

古着を回収に出せば、また服になる。そう思われがちですが、実際に服から服へ戻る割合はごくわずかです。何が難しく、どこまで進んでいるのかを確認します。

読む → 寿命 +数年

ダーニング——穴を隠さずに直すという選択

靴下のかかとに穴が空いた日は、多くの場合その靴下の最後の日になります。でも、その穴を糸で埋めてしまえば、寿命はもう数年のびます。ダーニングは、そのためだけの技術です。

WASTE / 9本

廃棄の現実

読む → 売れ残りの行き先

売れ残りを捨てない法律——EUの衣類廃棄禁止

売れ残った服を廃棄せず、次の行き先へ回すことを求める法律がEUで動き始めました。何が決まり、誰が対象で、なぜ必要とされたのかを、公式の発表をもとに整理します。

読む → 見えない繊維

洗濯で流れる繊維——マイクロファイバーという見えない排出

ポリエステルやアクリルの服は、洗濯のたびに目に見えないほど細い繊維を排水へ流しているとされています。どのくらいの量で、どこへ行くのか。わかっていることと、まだわかっていないことを分けて整理します。

読む → 寿命 次の国へ

海を渡る古着——日本から輸出される服の行き先

資源回収の日に出した服や、回収ボックスに入れた服。その一部は国内で売られるのではなく、コンテナに積まれて海を渡ります。日本を出た服がどこへ行き、どう使われているのかをたどります。

読む → 寿命 次の持ち主へ

店頭回収のその後——回収ボックスに入れた服の行き先

回収ボックスに入れた服は、そこで終わりではありません。仕分けを経て、着る人のもとへ、素材へ、燃料へと分かれていきます。その流れと、見えにくい部分を整理します。

読む → 砂漠に積まれた服

アタカマ砂漠の服の山——売れ残りが行き着く場所

南米チリの北部、世界でもっとも乾いた砂漠のひとつに、服の山が積まれてきました。衛星写真にも写るほどの大きさだったといわれています。

読む → 1枚=約2,700L

Tシャツ1枚の水——服が使っている見えない資源

乾いた1枚のTシャツにも、つくられる過程で浴槽十数杯分の水が使われているとされています。畑から店頭までの見えない水の量と、その行き先を数字でたどります。

読む → 週1,500万着規模

カンタマント——手放した服が着く市場

回収ボックスに入れた服は、その先どこへ行くのでしょうか。行き先のひとつに、西アフリカ・ガーナの首都アクラにある巨大な古着市場があります。

読む → 1,300トン/日

「安いから買う」の値段——毎日焼かれる服の内訳

服の値段は、この30年ではっきり下がりました。ではその分、何が安くなったのでしょうか。値札に乗った金額と、乗らなかった費用を、公的な統計で並べてみます。

読む → 寿命 約1年

平均1年で捨てられる服の一生を追う

この連載では60年生きたデニムや200年生きた布を追ってきました。今回は逆に、いちばん短い一生を追います。1年という時間軸で、1着の服に何が起きるのかを見てみましょう。

HERITAGE / 10本

受け継がれる布・民族衣装

読む → 寿命 世代をこえて

絣——糸を先に染めて柄を織る布

織る前の糸を部分的に括って染め、その糸で柄を織り出す絣。かすれた輪郭の模様は、普段着として何度も洗われ、着古されながら受け継がれてきた布の表情でもあります。

読む → 寿命 〜100年

こぎん刺し——麻布を暖かくした津軽の針仕事

津軽の農村では、麻の野良着の布目を白い糸で埋めて、寒さをしのいできたとされています。補強のための針目は、やがて模様そのものが受け継がれる布になりました。

読む → 寿命 世代をこえて

タータン——土地や家の柄として受け継がれた布

赤や緑の格子柄は、古着屋のスカートやマフラー、ウールのシャツでよく見かけます。土地の布から「家の柄」へ、そして登録される柄へ。タータンが世代をこえて残ってきた理由を見ていきます。

読む → 寿命 世代をこえて

バティック——ろうけつ染めが生むインドネシアの布

熱い蝋で点と線を描き、染めては蝋を落とす。インドネシアのバティックは、赤ちゃんの抱っこ布から婚礼、弔いまで、人の一生に寄り添ってきた布です。その作り方と、受け継がれてきた理由を見ていきます。

読む → 寿命 世代をこえて

ケンテ——織り柄に意味を込めたガーナの布

細い帯状の布を何本も縫い合わせてつくる、ガーナの織物ケンテ。柄の一つひとつに名前があり、糸はときに別の布をほどいて得られてきました。世代をこえて大切にされる布の成り立ちをたどります。

読む → 寿命 〜50年

ポンチョ——一枚の布を切らずに着るという発想

真ん中に頭を通す穴があるだけの、一枚の布。裁たず、縫い合わせず、体に合わせない。単純な作りだからこそ長く着られる服の成り立ちをたどります。

読む → 寿命 色とともに

藍——褪せることが価値になる染め

ほとんどの服は、色が抜けた時点で寿命を迎えます。ところが藍で染められた布だけは、色が抜けたところから値段がつきはじめます。

読む → 寿命 〜40年+転生

サリーの来世——カンタ刺繍というリサイクル

着古してやわらかくなったサリーを何枚も重ね、ひたすら走り縫いで留めていく。ベンガル地方の「カンタ」は、服が終わったあとから始まる手仕事のようです。

読む → 寿命 〜200年

ボロ——捨てられなかった布の200年

継ぎを当て、その上からまた継ぎを当てる。青森に残された「ボロ」と呼ばれる布は、捨てるという選択肢がほとんどなかった時代の記録のようです。

読む → 寿命 〜100年

着物は「解体できる服」——直線裁ちが可能にした無限リフォーム

祖母の着物を、母が仕立て直して着る。洋服ではなかなか起こらないことが、着物ではふつうに起こります。その理由は、感傷ではなく構造にあるようです。