1,300t/日 SUSTAINABLE? ♻ RE:WEAR 100年 vs 1年

FURUGI LOOP

昔の服は100年着られた。
いまの服は、なぜ1年で捨てられるんだろう。
服の廃棄問題を「服の寿命」から考えるサイト。

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01 / THE PROBLEM

WASTE IS REAL

おしゃれの話をする前に、少しだけ「数字」の話におつきあいください。ふだん服を選ぶとき、あまり意識することのない——服の「量」の話です。

日本では、1年間におよそ35億着の服が新しく供給されています。赤ちゃんからお年寄りまで、1人あたり年間およそ28着分。そこで動くお金は、約9兆円にのぼります。

さらに古着などのリユースまで含めると、市場はもう1.3兆円ほどふくらみます。いま日本で「服」をめぐって動いているお金は、合わせておよそ10兆円という規模です。

そして世界に目を向けると——1年間に生産される服は、およそ1,000億着。地球に暮らす約80億人の全員に、毎年12着ずつ配れてしまう量にあたります。

おしゃれは、もちろん楽しいものです。ただ、これだけの服が「どこから来て、どこへ行くのか」を知っておくと、1着の選び方が少しだけ変わってくるかもしれません。まずはズームアウトして、量の全体像から見てみましょう。

FASHION, ZOOMED OUT
STEP 1わたし1人の、1年
0着分

日本の年間供給量を人口で割ると、1人あたりおよそ28着分の服が毎年新しく供給されている計算になります。

STEP 2日本全体の、1年
0億着
新品の市場 約9兆円 + 古着・リユース 約1.3兆円

約30年前は「約15兆円で約20億着」でした。いまは「約9兆円で約35億着」。使うお金は3分の2に、服の量はほぼ倍に——1着あたりの値段は、およそ3分の1になっています。

STEP 3世界全体の、1年
0億着
日本 約35億着
世界 約1,000億着

日本の35億着ですら、世界から見ればほんの一部。これだけの服が、毎年新しく生まれています。

では、これだけ作られた服は——そのあと、どこへ行くのでしょうか。

WHERE DO THEY GO?

廃棄リユースもリサイクルもされず、処分される服
年間 約0万トン

1日あたりにすると約1,300トン——大型トラック約130台分の服が、毎日焼却・埋め立てされています。

行き先手放すとき、「ごみ」に出される割合
0%

リユースに回るのは、およそ3分の1。売る・譲る・回収ボックスに入れる、で変えられる数字です。

THE COST OF ONE

CO₂服1着をつくるときのCO₂排出量
0kg

ペットボトルをおよそ255本つくるのと同じくらいの排出量にあたります。

服1着をつくるのに使う水
0L

Tシャツ1枚の後ろには、これだけの水が流れています。

YOUR CLOSET, PER YEAR

出入り1年間に買う服と、手放す服
買う 約0
👕👕👕👕👕👕👕👕👕👕👕👕👕👕👕👕👕👕
手放す 約0
👕👕👕👕👕👕👕👕👕👕👕👕

買う量に手放す量が追いつかず、毎年およそ6着ずつクローゼットに増えていく計算になります。

眠る1年間、一度も着られない服
0

クローゼットの中で出番を待ったまま、1年が過ぎていく「着ない在庫」たちです。

出典:廃棄量・1人あたりの数値は環境省「サステナブルファッション」調査(2022年度推計)、国内供給量は日本繊維輸入組合の推計(約35億点)、市場規模は矢野経済研究所などの調査(2023〜24年)、世界の生産量はエレン・マッカーサー財団などの推計より。数値は年度や推計方法によって変動します。 → env.go.jp/policy/sustainable_fashion

すでにある服を、選ぶということ

新しい服を作ることが悪いわけではありません。ただ、すでにある服を1着選ぶと、新品1着分の製造に使われるはずだったCO₂や水を、そのまま使わずに済ませることができます。

いまの服を、1年長く

手持ちの服を1年長く着るだけで、日本全体では約4万トンの廃棄削減につながるといわれています。「長く着る」ことも、立派な行動のひとつです。

そして何より、楽しい

古着は、環境のためだけに着るものではありません。一点ものとの出会いがあり、物語があり、かっこいい。環境への貢献は、あとからついてくる「おまけ」くらいでちょうどいいのかもしれません。

でも、服はもともと「捨てる」という選択肢のない道具でした。
100年生きた服と、1年で役目を終える服。その違いを見にいきましょう。

服の寿命をくらべる ▼
02 / LIFESPAN

HOW LONG DO CLOTHES LIVE?

服にも寿命があります。それを決めるのは素材の強さではなく、「直せるか」「受け継げるか」という設計。この棒の長さを、くらべてみてください。

ボロ(襤褸)— 東北の継ぎ接ぎ布〜200年

布が貴重だった時代、破れては継ぎ、親から子へ。いまは美術品として世界の美術館を巡回中。

着物 — 解いて仕立て直す前提の服〜100年

直線裁ちだから解けば反物に戻る。仕立て直して世代を超え、最後は座布団や雑巾にまで転生する。

Levi's 501(1960s) — いまも現役で売買60年〜

頑丈な生地と単純な構造。穿き込むほど価値が上がるという、現代と真逆の価値観を持つ服。

US ARMY M-65 — 軍用の設計寿命50年〜

流行を一切考えず機能だけで設計された服は、流行に殺されない。60年代の実物がいまも街で現役。

サリー — 布のまま次の役目へ〜40年

1枚の布だから縫い目がなく、古くなったら重ねて刺し縫いしてキルト(カンタ)に生まれ変わる。

Champion リバースウィーブ(90s)30年〜

「縮むなら横に編めばいい」という発明。肉厚生地は30年経ってもむしろ体に馴染んでいく。

ファストファッションのTシャツ平均 約1年

買われてから手放されるまで、平均するとわずか1〜3年。直す前提でも、受け継ぐ前提でもない。

いちばん下の棒、見えたでしょうか。それが、いま私たちがいちばん多く買っている服の寿命です。
長生きした服には、ちゃんと理由があります。次は、その物語を。

03 / LONG LIFE STORIES

CLOTHES THAT SURVIVED

なぜこの服は50年残ったのか——ヴィンテージの名品と民族衣装を「生存理由」から読み解く連載。毎日すこしずつ増えていきます。

読む → 寿命 60年〜

リーバイス501は、なぜ70年生きられるのか

年代でシルエットも色落ちも別物。「劣化」を「エイジング」と呼び替えた最初の服の生存戦略を追う。

読む → 寿命 30年〜

リバースウィーブ——「縮むから横に編む」が生んだ40年選手

弱点対策の発明がそのまま頑丈さになった。機能から生まれたディテールは流行に消されない、という話。

読む → 寿命 50年〜

M-65——機能だけで設計された服は死なない

立ち襟に収納されたフード、4つの大容量ポケット。デザインの理由がすべて説明できる服の強さ。

読む → 寿命 30年〜

バンドTシャツはなぜ資産になったのか

シングルステッチ、ボディの銘柄、ツアー年。ただのプリントTシャツが「記録」になった瞬間の経済学。

読む → 寿命 50年(未使用)

デッドストック——一度も着られずに50年生きた服

倉庫で眠り続けた新品。「着られなかったこと」が最大の価値になるという、寿命の変わり種を考える。

読む → 寿命 〜100年

着物は「解体できる服」——直線裁ちが可能にした無限リフォーム

解けば反物に戻る、だから何度でも仕立て直せる。100年着る前提で設計された服の構造を見る。

COMING SOON 寿命 〜200年

ボロ——捨てられなかった布の200年

寒さと貧しさが生んだ継ぎ接ぎが、いま世界の美術館で展示されている。「もったいない」の到達点。

COMING SOON 寿命 〜40年+転生

サリーの来世——カンタ刺繍というリサイクル

古いサリーを何枚も重ねて刺し縫いする。ベンガル地方の「服の二度目の人生」の仕組み。

COMING SOON 寿命 約1年

平均1年で捨てられる服の一生を追う

工場から店頭、クローゼット、ゴミ袋まで。いちばん短い寿命の服の一生を、生まれてから最後まで見届ける。

COMING SOON 1,300トン/日

「安いから買う」の値段——毎日焼かれる服の内訳

日本で毎日焼却・埋め立てされる服、大型トラック約130台分。その数字を1着ずつに分解してみる。

04 / HERITAGE

CLOTHES TO INHERIT

世界の民族衣装は「直しながら、世代を超えて着る」設計になっています。廃棄問題の答えは、実は昔の服が先に出していたのかもしれません。

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着物

日本

直線裁ちで縫われているから、解けば1枚の反物に戻る。仕立て直しで体型も世代も超え、最後は座布団・雑巾まで使い切る。

生存理由:解体できるように設計されている
🪡

ボロ/刺し子

日本・東北

貴重な麻布を継ぎ足し、刺し子で補強しながら親から子へ。継ぎの重なりが結果として独自の美になった。

生存理由:直すことがそのまま装飾になった
🥻

サリー/カンタ刺繍

インド・ベンガル地方

縫い目のない1枚布だからサイズが存在しない。古くなったら何枚も重ねて刺し縫いし、キルトや産着に転生する。

生存理由:役目を変えながら生き続ける
🦙

アンデスの織物

ペルー・ボリビア

アルパカやリャマの毛を手で紡ぎ手で織る。柄には村や家族の記憶が織り込まれ、布そのものが記録になっている。

生存理由:布が記録メディアだから捨てられない
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キルト

アメリカ

着られなくなった服の端切れを縫い合わせて毛布にする。ゲーズベンドのキルトは現代アートとして評価されるまでに。

生存理由:端切れにすら次の役目がある
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アットゥㇱ(樹皮の衣)

日本・北海道(アイヌ)

オヒョウの樹皮から繊維を取り、糸を績み、布を織るところから自分たちの手で。文様には魔除けの意味が宿る。

生存理由:素材から作れる人は、直し方も知っている
05 / WHAT CAN WE DO

MAKE IT YOURS

着ることだけが答えではありません。直す・作り変える・売る・発信する——個人でできる「服の寿命を延ばす」方法を集めました。

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🪡

リペアから始める

ボタン付け・裾上げ・ダーニング(飾り繕い)。穴を隠すんじゃなく、カラフルな糸であえて見せるのが今っぽい。針と糸だけで始められる。

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✂️

リメイクする

大きすぎるTシャツを切って結ぶ、シャツを2枚組み合わせる、デニムをバッグにする。元が数百円の古着なら、失敗を恐れず気軽に実験できます。

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染め直す

色あせた白Tやシミのついたシャツは、ベンガラ染めや藍染めで再生。鍋ひとつでできる家庭染色キットも豊富。シミは柄で隠すという発想。

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売ってみる

メルカリ・ラクマで手放すのも、立派なループのひとつ。実寸を測って明るい場所で撮るだけで売れ方が変わります。「捨てる」の前に、一度試してみてください。

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発信する

今日の古着コーデ、タグの年代調査、購入品紹介。古着は「語れる服」なので、発信との相性がとてもいいんです。このサイトのようにWebでまとめるのもおすすめです。

LV.MAX
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小さく店をやる

間借り古着屋、フリマ出店、ネットショップ(BASE/STORES)。古物商許可を取れば仕入れ販売もできます。週末だけの小さな古着屋から始める人が、いま増えています。