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裾上げと丈詰め——サイズの合わない古着を着られる服にする

少し長い、少し大きい。サイズを選び直せない古着だからこそ、直して着るという選択があります。シングルやダブル、ジーンズのチェーンステッチまで、裾上げの基本を紹介します。

/ FURUGI LOOP 編集部 / 直す・めぐらせる

古着屋で、色も生地も好みの一着に出会ったのに、試着してみると少し長い、少し大きい。新品のようにサイズ違いを選び直せないのが、古着ならではの悩みです。そこで手放してしまう前に、お直しという選択肢があります。今回は、そのなかでもいちばん身近な裾上げ(丈詰め)を中心に紹介します。

古着は「一点もの」だから、直して合わせる

新品の服は、同じ型の別サイズを探すことができます。けれども古着は、基本的にその一着しかありません。気に入った服の丈が合わないとき、選択肢は「あきらめる」か「直す」かになります。

なかでもパンツの裾は、直しやすい場所のひとつとされています。生地を切って縫い直すだけで済むことが多く、街のお直し店やデニムを扱うお店でも定番のメニューとして並んでいます。丈さえ合えば着られる服は、意外と多いのかもしれません。

裾上げの仕上げ方——シングル、ダブル、まつり縫い

ひとくちに裾上げといっても、仕上げ方にはいくつか種類があります。生活情報サイトのハウスケアラボでは、外側にステッチが一本見えるシングル仕上げ、表から縫い目がほとんど目立たずスーツなどに向くまつり縫い仕上げ、裾を折り返して縫い付けるダブル仕上げなどが紹介されています。

@DIMEの記事によると、スラックスの裾はもともとシングル仕上げが一般的で、折り返しのあるダブル仕上げは19世紀末ごろのイギリスで生まれたといわれています。「ダブル」は日本での呼び方で、イギリス英語では「turn up」、アメリカ英語では「cuffed bottoms」と呼ばれるそうです。古着のスラックスを直すときは、元の裾がどちらの仕上げだったかを見ておくと、仕上がりのイメージを伝えやすくなります。

切った数センチぶん、その服はもう一度、誰かの丈になります。

ジーンズの裾上げと「アタリ」

ジーンズの場合は、少し事情が変わります。ヴィンテージのジーンズでは、裾がチェーンステッチで縫われているものがよく見られます。ハウスケアラボの記事でも、チェーンステッチ仕上げは主にジーンズで使われ、裾が立体的に波打ちやすいと説明されています。

このチェーンステッチを縫うミシンとして知られているのが、ユニオンスペシャルです。デニムのリペアを扱うレパレラでは、ユニオンスペシャル43200Gによる裾上げについて、糸が波打つように縫われるため、穿き込むほどに独特の「アタリ」(縫い目に沿った色落ち)が現れると紹介しています。通常の裾上げよりほつれにくい一方で、仕上がりまでに3週間ほどかかるとしています。

また、すでに裾にアタリや擦り切れがある古着のジーンズでは、普通に切って折り返すとその表情が失われてしまいます。そのため、元の裾の部分を残して本体とつなぎ合わせる、いわゆる裾残しの加工を受け付けているお店もあります。手間がかかるぶん、通常の裾上げより料金は高めになることが多いようです。長年かけてついた色落ちを残すかどうかは、直す前に決めておきたいポイントです。

直す前に確かめておきたいこと

お直しに出す前に、いくつか確かめておくと安心です。ひとつは、合わせたい靴を履いて丈を決めること。スニーカーと革靴では、ちょうどよい丈が変わります。もうひとつは、縮みやすい綿の服であれば、洗濯を済ませた状態で測ることです。

女性誌BAILAの記事では、お直しでデザイン性が損なわれそうなデニムは、事前にお店の人に相談することがすすめられています。フレアの広がりや、裾のスリット、切りっぱなしの加工などは、丈を詰めると印象が変わりやすい部分です。迷ったときは、どこまで変わるのかを聞いてから決めるとよいでしょう。

新しい服を買うことが悪いわけではありません。ただ、丈が合わないだけの一着を直して着られるなら、そのぶん新しく作られる負荷を使わずに済みます。数センチの裾上げが、古着をもう一度着られる服に変えてくれます。

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