FURUGI GUIDE年代判別

古着の年代判別ガイド——タグ・ステッチ・ジッパーで「いつの服か」を読む

古着屋で1着を手に取ったとき、「これはいつごろの服だろう」と見当をつけられると、値段の意味も、長く着られてきた理由もわかるようになります。ブランドごとの細かい知識の前に、どの服にも共通する手がかりから順に整理します。

/ FURUGI LOOP 編集部 / 古着ガイド

年代判別は、ひとつの決め手で判断するものではありません。タグ、縫製、付属品、生産国といった複数の手がかりを重ねて「このあたりの年代だろう」と絞り込んでいく作業です。古着屋の店員さんも、だいたい同じ順番で見ています。ここでは、確実性の高い順に紹介します。

1. まずケアタグ(洗濯表示)を見る

いちばん情報量が多いのは、襟や脇についているケアタグです。アメリカでは1971年に洗濯表示の添付が義務づけられたため、ケアタグのないアメリカ製の服は、それ以前のものである可能性が高くなります。逆に、素材・洗濯方法が複数言語で細かく書かれているものは、比較的新しい服です。

2. Tシャツはステッチと「胴」を見る

ヴィンテージTシャツでよく話題になるのがシングルステッチです。袖口と裾の縫い目が1本線のものを指し、1990年代前半ごろまでの製品に多く見られます。1990年代半ば以降は縫い目が2本線(ダブルステッチ)が主流になるため、「シングルステッチ=90年代前半以前の可能性が高い」という目安になります。

もうひとつが丸胴(まるどう)です。脇に縫い目がなく、筒状に編まれた生地で作られたボディで、古いTシャツに多い仕様です。あわせて、ボディのブランド(Hanes、FRUIT OF THE LOOM、Screen Starsなど)のタグデザインと、プリントに入ったコピーライト年を確認すると、年代がかなり絞れます。

コピーライト年は「プリントの権利が登録された年」であり、製造年そのものではありません。後年に再生産されたものも多いので、ステッチやボディと組み合わせて判断します。

3. Championはタグの変遷で読む

Championのスウェット(リバースウィーブ)は、タグの変遷がよく整理されているため、年代判別の入門として最適です。

詳しい生存理由はリバースウィーブの記事で書いています。

4. リーバイス501は赤タブ・パッチ・耳を見る

リーバイス501は、細部の仕様が年代ごとに変わるため、ジーンズ全体の年代判別の基準になっています。代表的な手がかりは次の3つです。

ボタン裏の刻印(数字やアルファベット)は工場を示す記号で、年代の補助情報として使われます。背景はリーバイス501の記事にまとめています。

5. ミリタリーはコントラクトナンバーを見る

アメリカ軍の実物(ミリタリー古着)には、内側のラベルに契約番号が入っています。番号の頭が「DSA」のものは1960年代から1970年代前半ごろ、「DLA」のものは1970年代後半以降、というのが基本の目安です。番号に含まれる年の数字が、その契約年を示していることもあります。M-65フィールドジャケットの記事も参考にしてください。

6. ジッパー・ボタンの銘柄を見る

ジッパーの引き手に入った銘柄も手がかりになります。TALON(タロン)やSCOVILL(スコービル)はアメリカの古いジッパーメーカーで、ヴィンテージの目安とされています。YKKは日本発のメーカーで、現在は世界で広く使われているため、「YKK=古くない」とは限りませんが、他の手がかりと合わせると年代を絞る材料になります。

7. 判別の順番と、ひとつの心構え

  1. ケアタグの有無と内容で、大きく「1971年以前/以後」「アメリカ製/海外製」を分ける
  2. ブランドタグのデザインを、スマートフォンで「ブランド名 タグ 年代」と画像検索して照合する
  3. ステッチ、耳、ジッパーなどの細部で、さらに絞る
  4. 最後に、全体の雰囲気(生地の縮み・色落ち・プリントのひび割れ)が年代と矛盾しないか確かめる

年代判別には諸説あり、同じブランドでも工場や流通先によって例外があります。「〜年ごろのものと思われる」という言い方にとどめておくのが、古着との健全な付き合い方だと思います。わからなければ、店員さんに聞くのがいちばん早くて確実です。

出典・参考: 米国連邦取引委員会(FTC)のケアラベル規則(1971年施行)およびRN番号制度の公開情報 / Levi Strauss & Co. 公式サイト / 各ブランド公式サイト
掲載時点の情報です。年代判別には諸説あり、例外も多くあります。
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